北陸ブランド発信へ ネクスト北陸石川フォーラム ものづくりテーマに討論

「ネクスト北陸キャンペーン」の石川フォーラム(主催・同キャンペーン実行委員会=北國新聞社、福井新聞社、北日本新聞社、石川県、福井県、富山県で構成)は十三日、「北陸ものづくりルネサンス?築きたい強力ブランド?」をテーマに金沢市の北國新聞会館で開かれた。

 パネルディスカッションでは、金沢学院大美術文化学部の大場吉美教授、タケフナイフビレッジ協同組合(越前市)の北岡英雄理事長、五洲薬品(富山市)の藤井侃副社長、中小企業基盤整備機構北陸支部地域経済活性化推進役の高村誠人さんが北陸のブランド発信の現状や今後の展望について話し合った。

 北岡さんは「製造者はただ作っていれば良いという時代は終わった。これからは世界中に商品を届け、ものづくりの楽しさや難しさも伝えていきたい」と述べ、藤井さんは「ブランドイメージだけでは売り上げに結びつかない。世界へ売り込むには他商品との差別化が重要」と説いた。

 高村さんは「ブランドとは消費者への約束ごとを組織が共有する戦略でもあり、そのこだわりを組織全体が理解しないと意味がない」と指摘。大場教授は「人材交流や商品開発、販売などでも三県連携が欠かせない」と述べ、北陸が手を結ぶ必要性を強調した。

 これに先立ち、早稲田大大学院ファイナンス研究科の野口悠紀雄教授が「日本経済のゆくえ」と題して講演し、「資金をうまく活用し、日本にしかできないものを作ることが製造業、サービス業、金融業などあらゆる業種に必要だ」と語った。

 ネクスト北陸キャンペーンは、北陸三県が共同で魅力的な地域づくりを目指す取り組み。中小企業基盤整備機構北陸支部などが後援し、北陸電力、本田技研工業などが協賛している。

北國新聞 - 2006/12/14