『「食」の地域ブランド戦略』

 最近は地名を付けた地域ブランド商品が見直され、様々な地名付き地域ブランド商品が出ている。

 豆腐や漬け物なども“京ブランド商品”として注目されているが、これまで法的に制限されていたから、ほとんど表舞台に出てこない。

 公認されたものといえば、ごくわずかな数しかなかった。例えば「夕張メロン」は、良きにつけ悪しきにつけ夕張市が話題となり注目を集めるたび、周知され、人々の間で定着していく。

 昨年4月の商標法改正で緩和され、さらに10月の第1次認可で地域ブランド商標52件が認定されたことから、当分は各地で地域ブランド商品が増えることになりそうだ。

 『「食」の地域ブランド戦略』は全国を訪ね、各地の興味深い地域ブランドの取り組みを調べ「食」を中心にした地域ブランドに着目して、帯広市の北の屋台街や横須賀市のカレーの街ヨコスカなど、ほぼ10都市のケースを取り上げている。

 だが、単なる地域ブランドの紹介に終わらない。食を中核にした町づくり、産学集団として、地域ブランドをとらえる視点が興味をそそる。新評論発行、定価2,730円。

トーヨー新報 - 2007/3/2