キリンが中国のビール会社に資本参加?3大地域網羅

キリンビール <2503> は15日、中国のビール会社「杭州千島湖ビール」に資本参加することで合意したと発表した。25%を出資し、出資額は約45億円。5年経過後に49%まで買い増す権利も取得したことも明らかにした。
キリンは中国でのビール事業について、東北三省、長江デルタ、珠江デルタの3つを重点地域と位置づけている。このうちすでに東北三省については大連大雪社に資本参加し、珠江には100%子会社を置いているが、今回の資本参加で、巨大市場かつプレミアムビールへの需要が大きいと見られる上海を抱える長江デルタ地域もカバーしたことになる。
杭州千島湖の年間生産能力は16万キロリットルで、現在23万キロリットルに向けて増強を計っている最中。キリンによれば、杭州千島湖は美味しい水として認知度が高い「千島湖の水」を使用したプレミアムビールで、都市部を中心に人気を博しているという。中国では通常1本2,3元(30?45円)程度のビールに対して、千島湖ビールは10?12元(150?180円)で販売されている。
今後は、キリンが杭州千島湖に技術提供し、新しい生産設備のもとで現地の水を使ってキリンブランドのプレミアムビールを生産する。上海でのプレミアムビール市場の1割程度のシェアが当面の目標。中国全体では「あと3年で利益が上がるような構造にしたい」(大島仁志・国際酒類カンパニー社長)としている。(T.N)

ラジオNIKKEI - 2006/12/16