尼崎ブランド人気じわり 口コミで広がる


スダチの風味が効いたポン酢、保温性に優れた湯たんぽなど、尼崎ゆかりの商品がじわじわと売り上げを伸ばしている。町工場が多く、ものづくりの技が息づく「尼崎」。そのブランド化を目指し、地元の商業者らがコンペや専門店開設などを仕掛けてきた。地元でも知名度の低かった品々が注目を集め、今秋には関連本を出版、専門店の2号店がオープンするなど、勢いは増すばかりだ。(記事・小川 晶、写真・山崎 竜)


 鍋料理が恋しい季節。ひろた食品(尼崎市立花町)では、徳島産天然スダチのみを使ったポン酢生産が最盛期を迎えている。酸味料を加えない味が口コミで広がり、ここ三年、売り上げは毎年三割増という。

 「うまいポン酢がない」と、八百屋店主だった広田豊社長(69)が一九八九年に製造を始めた。三年ほど前まで赤字続きで苦戦したが、今では全国の大手スーパーに出荷。「大量生産では出せない、手作りのこだわりを評価してもらえたのかな」と社長。十八日からは兵庫県内の大手コンビニチェーンにも並ぶ。

【写真】次々と出荷される「ひろたのぽんず」。鍋の季節を迎え、生産ラインが夜まで稼働することも=尼崎市立花町4

神戸新聞 - 2006/12/16