メンズウェア、新ブランドが急増?高級でクラシックな米国スタイル

ファッション業界では、高級でクラシックな米国スタイルのメンズウェア商品が急増している。

■定番物もよりぜいたくで高価に
 ウォールストリート・ジャーナルによると、 バーグドーフ・グッドマン(ニューヨーク)で働いていたマイケル・バスティアンや、ティム・ハミルトン、トニー・メリロなどの元業界関係者のほか、婦人服のデザイナーで知られるアイザック・ミズラヒ、ナルシソ・ロドリゲス、エリー・タハリなどが、相次いで米国スタイルの高級メンズ商品を発表した。

 来年はさらに、婦人服のデザイナーとして有名なフィリップ・リムやジル・スチュアート、2004年まで高級ブランドのグッチで働いていたトム・フォードもメンズ商品を発表する予定という。

 デザイナーたちは、欧州のファッションとは違う米国の高級メンズ市場には成長の余地があると見ている。多くの新商品には、フォーマルなスーツやタキシード、ブレザー、オーバーコートからカジュアルなボタンダウンシャツ、カーキ・パンツ、ポロシャツ、セーターに至る定番商品も含まれている。

 これまでの商品より細身で、イタリア産ウールやスコットランド産カシミア、日本製ニットなどを使ってぜいたくに作られている。ミズラヒの商品では、ジャケットやコートにシルクが使用されている。

 値段は割高で、ミズラヒのウール・フランネル製ジャケットは2000ドル、ティム・ハミルトンのカシミア・セーターが900ドルとなっている。

■男性の買い物習慣に異変
 ハイテク・バブルの崩壊とともに普段着の需要が下火になり、近年は男性の多くが通勤着により高級な服を好むようになった。NPDグループによると、メンズウェアの販売は04年に5%増、05年も5%増の530億ドルに上り、今年は10月までで約8%増を記録した。これに伴い、高級店は紳士服売り場を大幅に拡大、展示の刷新や新商品の仕入れを加速している。新しい商品の売れ行きも順調だ。

 しかし、男性はこれまで買い物嫌いと見られており、選択肢が増えすぎると結局何も買わないようになるのではないかとの懸念もある。これに対してデザイナーたちは、最近の男性の買い物習慣には大きな変化が出てきたと見ている。ミズラヒは「男性は買い物にオープンになってきており、新しいブランドが急増することは問題にならない」と話した。
 JCペニーの社内調査では、5年前は男物の購入の70%は女性が行っていたが、現在は70%が男性だ。

USFL.COM - 2006/12/16