ワイン消費が急拡大、内外ブランド競争激化

中国のワイン消費が急拡大している、2005年実績に対し10年までには、中国が世界市場のワイン需要伸び率予測の8倍近い36%の増加となる見通しとなった。経済自由化で海外の高級ブランドや生活様式が沿岸都市などで広がり、ワインが中国人の食生活に急速に浸透してきたようだ。

 AFP通信は、フランスのアルコール飲料国際見本市である「Vinexpo」事務当局の見通しとして、10年には世界ワイン市場が05年に比べ4・8%増加するのに対し、中国は36%増になるとの調査をまとめた。この時点で年間消費量は5億5800万リットルと予測され、中国は位のルーマニアを追い越す見通し。

 中国の05年ワイン消費量は01年に比べ7500万リットル増の4億1000万リットルで世界10位だった。

 ロバート・ベイナット事務局長は証左報告の中で、「中国の輸入ワイン需要は05年から10年までに53%伸びるだろう」と指摘し、需要の伸びよりも輸入品の増大が多いとの見通しを示し、中国人の「ブランド志向」「輸入品志向」などの消費傾向が、今後ワインの輸入増に結びつくとした。

 すでに中国は豪州産ワインの輸入も急増しており、06年は前年比5・6倍の2126万6000リットルを記録。日本などを抜いて豪州にとって6位の輸出先となっている。

 人民日報(電子版)によると、中国の4大ワインブランド「張裕」「長城」「王朝」「威竜」のワイン生産量は現段階では市場の51・49%を占める。中国は経済発展に伴いワイン市場も沿岸都市部の高所得層から内陸部や中間所得層に広がりつつあり海外ブランドを含めたシェア争いがますます激しくなりそうだ。(坂本一之)

フジサンケイ ビジネスアイ - 2007年1月24日