中島菜加え「健康茶」 JA能登わかば、伊藤園と開発 来年2月から市販


JA能登わかば(七尾市)は、血圧の上昇を抑える効果がある能登野菜「中島菜」入りのお茶を飲料メーカー大手の伊藤園と共同開発した。中島菜の粉末を配合した緑茶、玉露、玄米茶の三種類で、来年二月には市販、ネット販売にも乗り出す。今年十月に認定された「地域ブランド」の商標登録を弾みに、「健康茶」ブームに乗って中島菜の風味や健康効果を全国に売り込んでいく。
 JA能登わかばは中島菜の普及、販売を拡大するため四月にプロジェクトチームを結成した。フリーズドライ化したチップの粉末が抹茶に似ていることに着目。県農業総合研究センターが伊藤園と中島菜の共同研究を行っていた縁で、同社に開発を持ち掛けた。

 完成したお茶は、中島菜の粉末を5%配合したことで、緑色が一層鮮やかになったうえ風味が増し、まろやかになった。中島菜の独特の香りがほのかに漂い、茶碗の底にわずかに沈殿する粉末も残さず味わえる。静岡県の食品受託加工会社が製造した。

 同JAは、葬祭部が取り扱っている香典返しに中島菜入り緑茶を使う。年間約二百件の葬儀を引き受け、約二万個の香典返しを扱うが、パック入り緑茶は八割を占める主力商品。これを中島菜入りに切り替え、安定した需要を確保する。

 市販用は直売店「わかばの里」や道の駅などで店頭に並べるほか、和倉温泉の旅館に宿泊客向けのお茶への採用を働き掛け、土産品コーナーにも置いてもらう。今後はペットボトル入りの飲料化も検討する。

 田中雅晴同JA組合長は「中島菜の機能性を生かし、日常手軽に口にできるよう加工した。これからも能登野菜を地域おこしにつなげていきたい」と話している。

【写真】JA能登わかばが商品化した中島菜粉末入りの緑茶=七尾市田鶴浜町の同JA営農部

北國新聞 - 2006/12/23