サッポロ 元祖、巻き返しへ意欲 第3のビール新ブランド「うまい生」2月発売

サッポロビールは15日、第3のビールの新商品「うまい生」を来年2月14日に発売すると発表した。アルコール度数を通常の第3のビールに比べ0・5ポイント高い5・5%とし、限りなくビールに近い「飲み応え」を実現すると同時に、さとうきびの糖分を原料の一部に使用することで、「キレ」を出した。

 販売目標は年1000万ケース(1ケース=大瓶20本換算)。サッポロは、大手ビール4社のなかで、麦芽をいっさい使わない第3のビールを最初に発売したパイオニア。しかし、ライバルの相次ぐ参入でシェアを奪われ、苦戦を強いられており、「ドラフトワン」に続く、大型ブランドを投入し巻き返しを図る。

 「来年はリベンジを果たしたい」

 同日記者会見した福永勝社長は、シェア奪回に強い意欲を示した。

 うまい生は、アルコール度数を第3のビールでは初となる5・5%と高めに設定したほか、ホップを3段階に分けて仕込む製法を採用し、飲み応えとうまみを高め、「第3のビールにもビールらしさを求める消費者をターゲットに開発した」(福永社長)という。

 ターゲット層は特に設定せず、「老若男女問わず幅広い人に飲んでいただけるはず」と寺坂史明専務も自信を示した。

 CMには「まいう?」のセリフでおなじみのタレントの石塚英彦さんを起用。“ぐっさん”の愛称で知られる山口智充さん起用で断トツ首位を走るキリンビールの「のどごし〈生〉に対し、「石塚さんのパワーで寄り切りたい」(寺坂専務)と、対抗心をあらわにしている。

 サッポロの今年1?11月の第3のビールの出荷量は、1523万6000ケースで前年同期比25・9%減と苦戦が続く。

 同社は、2003年9月に「ドラフトワン」で第3のビール市場を切り開いたという自負もあり、第3のビール市場に「第二の矢」を打ち込むことで、テコ入れを図りたい考えだ。

フジサンケイ ビジネスアイ - 2006/12/16