ポテチ、カレールー…定番商品“ちょい高級”人気


 40年以上親しまれてきたハウス食品の「バーモントカレー」や、約30年の歴史があるカルビーの「ポテトチップス」など定番商品の高級タイプが次々と店頭に並んでいる。いずれも売れ行きは好調。標準商品よりは少し値段は高めだが、手軽に「ちょっとしたぜいたく」を楽しめるのが人気の理由だ。景気回復を受けて、「少々高くてもいい物を買いたい」という消費者の意識変化が、単価の下落傾向に歯止めをかけたいメーカーの商品展開を加速させている。(高橋寛次)

 平成元年から販売されているサントリーの高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」は、世界的な食品品評会「モンドセレクション」で2年連続最高金賞を取ったことで、人気に火がついた。今年の販売計画は前年の4倍だが、達成は確実視されている。

 知名度の高い定番商品の高級タイプは一定の売り上げが見込める一方で、味が期待以下ならブランドに傷がつく。ハウスは「当初は違う名前となる予定だったが、開発途中で『バーモント』を冠することが決まった。担当者は重圧に悩みながら、新しい技術をつぎこんで開発した」と打ち明ける。

 それでも定番名を使うのは「まったく異なるブランドより手に取ってもらえやすい」(同社)との判断からだ。



産経新聞 - 2006/12/10