ブランド維持のためマツダ、新車4703台を廃棄

マツダと北米事業統括会社のマツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズ(MNAO)は、今年7月下旬にアリューシャン列島南方海上で大きく姿勢を崩し航行不能となっ、自動車運搬船「クーガーエース」に積載していた、米国およびカナダ向けのマツダ車4703台を全て廃棄すると発表した。

クーガーエースは事故後およそ1カ月に渡って60度以上傾いた状態で浮揚しており、船体姿勢の立て直し後、米国オレゴン州ポートランド港に曳航され、荷降ろしと船体修理が行われた。

MNAOのジム・オサリバン社長兼CEOは「米国と日本のR&Dセンターのエンジニアが車両の損害状況を厳しく検査した結果、顧客の最善を考えた最適な処置として、全積載車両4703台を市場に流通させないという結論に至った。この決断がマツダブランドの維持向上につながると確信している」とコメントしている。

またオサリバン社長は、「クーガーエースに積載されていた車両の中には長期間に渡って、急傾斜の状態で固定されていたにもかかわらず、外見ではまったく損傷のないものや、その程度が僅かなものもあったが、顧客の安心と安全を最優先とし、中古車としても一切販売しない」としている。

カービュー - 2006/12/18